第1回 「代表取締役社長 服部 孝夫さん」 «No.2»
《№1》に続いての、服部さんのインタビューです。前回は、会社を辞めた決断をして独立した服部さんでしたが、《№2》では、独立後の様子です。では、どうぞ!
«No.2»
1)事業当初、お客が来ず、妻と二人でゲームボーイ、あるTV番組で、、、、
たばた 「事業を始めた当初、どんな状況だったのですか?」
服部さん 「リサイクルショップをやり始めたんです。当時、そんなにリサイクルショップって,今ほど無かったんですね。
これからはリサイクルの時代といわれていたんですが、個人のリサイクルショップ、服屋なんか、
いつどうなるかわからない。
その事業1本では、不安だったんです。
それプラス何か手堅い仕事ということで、社会保険労務士の仕事を考えてたんです。
仕事を辞めたと同時に社労士の勉強を始めたんです。
だから、当初は、夜、仕事が終わった後に勉強するという過酷な日々の繰り返しでしたね。
そして、リサイクルショップの方は、OPENしたての時は、全くお客様が来ずに、
妻と二人でゲームボーイのゴルフをしていたんですよ(笑)
『お客様来ないよね』といいながら、ゴルフで対戦していました。(笑)
『ダメだよねこれじゃ』と妻。そんな状態が続いて、ある日大変なことが起こりました。
当時、借金して始めていたものですから、妻がストレスで声が出なくなる、失語症となってしまったんです。
妻の父親がガンでなくなったことも重なってストレスとなっていたんです。
そんな状況の中、
雑誌にショップを掲載したところ、ぴーかんテレビのスタッフがその雑誌を見て、取材に来てくれたんです。
最近、お米、セシウムさんで、番組を打ち切りされたあのぴーかんテレビ。ぴーかんテレビに放映されて、
そのTVを見て、来客される方や問い合わせなど頂くようになっていきました。
これで、ベクトルが上に向いたかなという感覚になったのを覚えています。
ぴーかんテレビは今セシウムさん事件で番組が打ち切りになったけれど、
私たちにとっては、人生を助けてもらった番組だったんです。それで、妻もちょっとづつ回復に向かいました。」
2)社労士試験、4度のトライ、不合格、でも、、、
たばた 「打ち切りになったぴーかんテレビは、服部さんにとって、ありがたい番組だったのですね。少し上向きになった後、他に何かターニングポイントってあったんですか?」
服部さん 「そーですね。お店は、1年2年とだんだん軌道にのりはじめたんです。
しかし、社労士の試験が、なかなか受からなかったんですね。年1回ですよね。
私は本を読むのが苦手、机に座っているのも苦手なんです。勉強するのが大変でした。
1年勉強してもダメ、更に1年勉強してダメ。受かるまで5年かかったんです。
この5回トライしたことも、私にとってチャレンジでした。
何度もあきらめようと思いましたし、私には無理じゃないかと。
今、振り返ると、最初の1年目はさっぱりわからないので、体験受験となるんですよね。
2年目で全体像を把握する感じなんですよ。
3年目試験でもいい感じだったので、4年目はいけると思っていたんですね。
実は、3年目、4年目は、一般常識が1点足りなくて、足切りをくらったんです。
この試験っていうのは、10科目あってマンベンナク取れないとダメなんです。
一般常識で、1科目だけ、1点足りなくて、3、4年目不合格という結果だったんです。
労務の問題で点が足らないならわかるけれども、一般常識でそうなると、何をどう勉強すればいいんだという
感情が出てきた。2年連続その様な状況だったので、疑心暗鬼になりましたよ。
もうどうしようーという感じでした。
ただ、私のいいところは、いい意味では粘り強い、悪い意味では、しつこい(笑)、これが持ち味。
今、ここであきらめたら、当時33、34歳だったんですけど、人生80年以上として、残り50年あるわけですよ。
残りの人生、社労士ということに対して、目を背けながら生きて行くことになる。
それは、絶対嫌だ!と思ったんですね。
例えば、社労士さんと会って話している時に『いやー実は私も社労士を勉強したことがあるんですよ』
と言わなくちゃならない。
そんな50年はかなわんと思いました。この後の50年は生きていけない。
ここで諦めたら、しょぼいオヤジになってしまう。絶対、カッコ悪い、と。
絶対、受かるまでやるしかないと思っていました。そんな時、もう一つ勇気づけられたことがあったんです。
社労士の受験講座をやっている講師の人が、すごくおじいさんだった。頭もツルツルで(笑)
どうみても、年配の方。その方にいろいろ聞いたんです。
その時、その講師の方は、80歳を超えていたんですよ。その年齢で、講師もやっていたし、社労士としてもやっていた。
いつ、受かったんですか?って聞いたの。
『ワシは、定年退職した後に勉強しだして、それで試験に合格、今80歳だ』と。
その歳で、現役バリバリなんですよ。それを知ると、受からん受からんといっても、私は34歳な訳です
その人のスタートラインにたつまで、定年までなので、まだ26年あるわけですよ。
そんな自分が何を言ってるんだということを感じたんです。
もう、がんばるしかないって。
その講師の方をみるとモチベーションが上がるわけですよ。
そして、その5年目に受験してやっと、まぐれ(笑)で受かった。」
たばた 「その80歳の社労士さんから勇気をもらったんですね。
その様にチャレンジされていたので、服部さんがその方を引き寄せたかもしれませんね。」
ぴーかんテレビで、状況が上向きになったと言われる服部さん。人は、何かに対して、一生懸命やり始めると、チャンスが来るのではないかと感じました。そして、社労士試験も、人生80年のスパンでみることにより、何度でもチャレンジ出来るのではと思いました。《№2》は、ここまでです。《№3》は、服部さんの将来についてお伺いしました。お楽しみに。