第2回 「代表取締役社長 斉藤 一春さん」
フレーフリーチャレンジャーの第二回目の社長さんは、コーチング研修を実施させて頂いた、ちいさな手の社長である斉藤一春さんです。インタビューのお願いをした際、快く承諾して頂きました。全部で2回に分けて掲載したいと思います。
有限会 社ちいさな手 代表取締役 斉藤 一春さん 昭和43
<サービス管理責任者資格>
社会福祉主事/介護福祉士/介護支援(ケアマネージャー)
同朋大学社会福祉学部社会福祉学科卒業
20年以上の福祉実務経験/平成16年 ちいさな手創業
ブログ;http://blog.goo.ne.jp/chiisanate
«前編»
たばた「本日は忙しい中、インタビューを承諾して頂き、ありがとうございます。
早速ですが、斉藤さんの会社の概要、特徴等を教えて下さい」
斉藤さん「はい、名古屋の港区で児童デイサービスをやらせてもらっています。
障害のあるお子さん、学校の特別支援学級にいるお子さん、養護学校に行っているお子さんを、
学校が終わった後から夕方18時くらいまで、お預かりしています。
1日、10人最大定員で運営しています。
特徴は私自身が介護福祉を20年やっていますので、独立して7年目ですが、
経験をいかしたノウハウで運営しています。
今はまだですが、これからは、音楽療法とか、静的弛緩療法というリハビリを取り入れながら、
他の施設に比べて特色を持たしていきたいと考えています。
(※音楽療法:児童が楽器(太鼓、バイオリンなど)を使って音を出して、
声も出す。好きな音楽などは表情が和らぐ。名古屋市は取り入れているところが多い
※静的弛緩療法:お子さんは神経に力が入りすぎているので、肌の触れる感覚をもって、緩めてあげる)
たばた「斉藤さんがそれを取り入れたい想いというのは?」
斉藤さん「今、児童デイに求められているのは、リハビリの要素だと思っています。
それが児童デイの果たすべき役割、それが使命だと思っていますので取り入れたい。
また、もちろん経営者なので他との差別化をしていき、お預かりできるお子さんを
増やしていきたい気持ちもあります。
たばた「もちろん経営者なので他との差別化は必要ですよね、
でも今以上に子供たちにとって良い環境をつくりたいんですね。」
たばた「では、チャレンジについて聞きたいと思います。いつも話すのですが、
人というのは、なかなか行動出来ないと思っているんです。めんどくさかったり、
二の足踏んだり、なかなかエイッと飛び込んで、チャレンジできないと思うんです。
なかなかやろうと思っても出来ない。私もそんな繰り返しだった気がします。斉藤さんは、
20年介護に関わっている中、人生で一番のチャレンジだったと思うことを教えて下さい。」
どこの経営者さんに聞いてもこれだと思いますよ。(笑)」
たばた「斉藤さんの前にインタビューした服部さんも
同じ事をおしゃっていました。(笑)」
たばた「斉藤さんはいつ起業されたのですか?」
斉藤さんん「H16年。なので、7年前ですね。」
たばた「その前は、何をされていたんですか?」
斉藤さん「介護施設で働いてました。雇われ身として。事業所を立ち上げる仕事が多かった。」
たばた「ということは、斉藤さんは20年の介護経験ということなので、13年間勤めて、勉強されて、
独立したということだったのですね。起業した理由は何だったのですか?」
斉藤さん「この介護業界について、制度のあり方に疑問があって、自分なりの福祉の形ということを、
追求してみたい、というのが起業の理由です。
そして、真の福祉の有り方を自分なりの答えを出すために、始めたのが最大の理由。
気持ち的には、人生1度きりと感じたため、チャレンジしようとも思いました。
この業界で起業するということは、大変難しいというのは、
業界が長いので知っていました。
事業の立ち上げを手
伝っていましたので、儲からないことも分かっていたんです。ただ、今の日本の福祉の有り方が、僕は納得していない。
行政の都合であったり、国の都合であったりして、今の国の制度、
社会保障では、人を救ったり、支援したりということでは、出来ない、
欠けていると思うんです。
結局、お金を配ればいいやで、○○支援センターみたいなのをつくる、
みたいな感じなのです。また、高齢者を支援することが大切なのに、
そこで働く人は、月給だけもらえればいいやということも、ある気がする。」
たばた「斉藤さんが、雇われ身の時、納得いかないことがあったので、
自分の理想を追求するために起業したんですね。
起業した時は、斉藤さんが、36歳で、奥さんも子供もおられた?」
たばた「その時の家族の状況、反応ってどんなんだったのですか?」
斉藤さん「結構、反対でしたよ。(笑)
奥さんに話した時、奥さんは不安がっていました。『大丈夫なのー』って。
ただ、私が、過去、会社員時に社長を補佐して、2社立ち上げているのを彼女は知っていた。
そのため、私が起業に対して、全くの素人ではなかったので、反対はしたんですが、
強い反対ではなかったんです。」
たばた「強い反対ではなかったのですね。お子さんは?」
斉藤さん「独立のとき、4人いました。娘2人、息子2人です。」
たばた「ということは、奥さんがいらっしゃって、子供4人いて、起業を決意された、
ということですね。(驚)」
斉藤さん「リスク高いと思うでしょ。でもね、介護の会社の給料では、4人育てるのは
無理!!(笑)年々給料増えていったって、しれてるの。」
たばた「このまま会社員として勤めるリスクと、起業するリスクの天秤だったんですか」
斉藤さん「その天秤がどちらに傾くかではなく、やりたいから、やる!ということです。
福祉の仕事をやっていて、このままでもいいのか。国、制度、いろんなことに疑問があったので、
それに対して答えを出す手段として、起業という選択をしたということが一番の理由」
たばた「なるほど、その熱い思いを奥さんに伝えたんですね」
斉藤さん「伝えてない。(笑) 起業当時は、『会社勤めの方が安心かな』と少し反対。
先ほどもお伝えした通り、強い反対じゃなかったので、それを押し切った感じです。」
第1回目の服部さんと同様、人生で一番チャレンジだったのは、「会社を辞めたこと」とのこと。
リスクとか考えず、やりたいから、やる!ということがエネルギーとなった感じを受けました。
何かと、理由をつけないとやれなかったり、理由をつけて、やらなかったり、人間はすると思うのですが、
「やりたいから、やる!」これが一番自然なのかもしれません。
次回は、起業したときのプレッシャーについてお聞きしています。